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最近の頭痛治療について、専門の先生に聞いてきました

頭痛に悩む人の願いは、痛みが完全にとれること。片頭痛の場合は、病医院で処方されるトリプタン製剤をうまく使いこなせば、痛みを完全にとることができ、頭痛の不安感から解放されることも可能と言われています。
そこで、片頭痛の患者さんを数多く診察されている喜多村脳神経クリニックの喜多村一幸先生に、最近の片頭痛治療の実際について、お話を聞いてきました。

鎮痛薬では、片頭痛は治らない?

頭痛患者さんの望みは、頭痛がまったく起こらなくなることです。しかし、現在のところ、頭痛を完全に起こらなくできる治療法はありません。そこで、現実的な治療目標として、できるだけ早く完全に痛みが消え、いつも通りの日常生活が送れるようにすることがあげられます。
緊張型頭痛や軽い片頭痛で市販の鎮痛薬で完全に痛みがとれる場合には問題がありませんが、多くの片頭痛では鎮痛薬の効果はあまり期待できません。片頭痛を完全に押さえ込める可能性の高い薬は、トリプタン製剤です。
トリプタン製剤ができて、今まで何日も寝込んでいた頭痛が2時間で治るなど、片頭痛を持つ人の生活への影響は大きく改善されました。トリプタンを持っていることで「頭痛が起こったら困る」という不安がなくなるのも大きなメリットです。ですから、私は片頭痛の患者さんには、まずトリプタンを処方すべきであると考えます。そして、患者さんにはいつも携帯するように勧めています。

トリプタンは、タイミングが大切

片頭痛治療の決め手となるのは、「どのタイプのトリプタン製剤をどのようなタイミングで服用するか」ということです。
トリプタン製剤には、注射、点鼻薬、錠剤があり、薬が吸収される経路が異なるため、剤形によって効く早さにも違いがあります。効果が現れるのは、注射で約10分、点鼻薬は約15分、錠剤で約30分と言われています。重症で嘔吐する患者さんの場合、せっかく飲んだトリプタン錠を吐き出してしまいますが、点鼻薬ならば、鼻の粘膜から吸収されるので効果が期待できます。
服用するタイミングも重要です。片頭痛の場合、血管がだんだんと広がっていくわけですが、完全に広がりきってからトリプタンを飲むと、薬にしてみれば血管を縮めるのに相当の労力と時間がかかることになるので、早めに服用するほうが効果が高まるのは明らかです。また重症の患者さんで、1錠飲んでも2時間後にまた再発するというような人には、追加して飲むより最初から2錠飲んだほうが再発は少ないようです。再発することが多い場合には、医師に服用方法について相談してみることをお勧めします。片頭痛と緊張型頭痛の複数の頭痛を合わせ持つ場合は、鎮痛薬を飲んだほうがいいか、トリプタンを飲めばいいか、自分の症状に合わせていろいろ試してみることで、頭痛の見分け方や服用のタイミングを見つけることができます。

鎮痛薬の多用は薬物乱用頭痛の原因に

片頭痛の場合、思春期に発病し、CTやMRIの検査を受けたが異常がなく、「ただの頭痛だから鎮痛薬を飲みなさい」と言われていた人が、圧倒的に多いようです。私のクリニックには、鎮痛薬を10年以上、毎日飲んでいたという患者さんが来院されることも少なくありません。昔はトリプタン製剤がなかったので、医師のほうも鎮痛薬の処方しかできなかったという事情もあるでしょう。
しかし、鎮痛薬では、片頭痛は完全に解消できないばかりか、飲みすぎると胃を害し、薬物乱用頭痛を引き起こすこともあります。薬物乱用頭痛については、医師によっても見解が違いますが、私はかなり多いと考えています。治療法は、頭には異常がないのですから、鎮痛薬を徐々に減らすのではなく、麻薬中毒の治療と同じように一気に一度に鎮痛薬の服用を止めさせます。予防薬を飲んで、3週間ぐらい我慢するとよくなってきます。片頭痛に対してはトリプタン製剤をきちんと使えば、鎮痛薬をたくさん飲む必要はないことを、患者さんにもぜひ知ってほしいと思います。

話をよく聞いてくれるお医者さんを見つける

私のクリニックに来院する患者さんの中には、いくつかの病院をまわっても頭痛が治らず、ずっと我慢していたという不満を持っておられる方が多くいらっしゃいます。
一口に頭痛と言っても、その訴えの表現方法はさまざまです。目の奥のほうがえぐられるという痛みは、教科書的に言うと群発頭痛ですが、そうとは限りません。あるいは、肩こりがあって頭が痛いと「緊張型頭痛」と診断されがちですが、最近の調査では片頭痛の予兆として肩こりや首のこりがあることがわかっています。また、複数の頭痛を合わせ持つタイプの人も多く、1週間続くという頭痛をよく聞いてみると1日は片頭痛で、それ以外は緊張型頭痛の場合もあるのです。
ですから、医師にとって、頭痛の治療でいちばん大切なことは時間をかけて患者の話を聞くこと。その中に隠れたヒントを見つけ、どういった頭痛かを診断して、正しい治療の方向性を探ることが重要です。片頭痛に対してトリプタン製剤の処方率がいまだに低いことから、一般の医師や薬剤師、看護師にも片頭痛の治療についてもっとアピールしていく必要も感じています。
患者さんにとっても、頭痛の様子をくわしく聞いて診断してくれる医師とめぐりあうことが重要です。痛みを我慢したり、不満を持ちながら鎮痛薬を飲み続けたりせずに、片頭痛は薬で治るということを知り、なるべく早く医師に相談して、ぜひ満足できる対処法を見つけてほしいと思います。

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