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最近の頭痛治療について、専門の先生に聞いてきました

片頭痛の患者さんが正しく診断されるには、平均して10年間もかかるという報告があります。専門医でも難しいと言われる片頭痛の診断。
頭痛を正しく診断してもらい適切な治療を受けるためには、私たちは、どうしたらよいのでしょうか。頭痛診断のポイントとなる問診について、獨協大学神経内科学教授 平田幸一先生にお聞きしました。

頭痛診断で、問診は重要ですか?

私が頭痛外来で、前兆を伴わない片頭痛に薬物乱用頭痛が加わっていると診断したある患者さんは、今までCTやMRIを撮っても大きな異常はなく「心配することのない頭痛」だと言われていたようです。効果的な治療が行われないまま、小学生の時から10年間、ガマンしてきたということでした。
慢性頭痛(機能性頭痛)を診断する方法は、問診、簡単な触診、除外診断しかないため、その中で問診はとても重要になります。問診での病歴の聞き取り方は、頭痛のタイプを完全に把握していないと難しく、誰でも同じように診断できるというものではありません。群発頭痛や、前兆があるような典型的なタイプの片頭痛は診断しやすいですが、年齢が高くなったり、薬物治療が加わったりすると、片頭痛と緊張型頭痛が合併してみられるようになり、いろいろな症状が混じり合って見られるため、専門医でも診断が難しい場合があるのです。

問診ではどんなことを聞くのですか?

当院の頭痛外来では、まず、患者さんの待ち時間を利用して、詳しい問診票に書き込んでもらっています。項目は、頭痛が始まった年齢、家族歴、既往歴、常用薬の有無、頭痛の性状、前兆、精神状態を含めた全身状態、頭痛の発現に関連があるものなどです。頭痛がどのくらい続くか、持続時間や起こる回数なども聞いて、生活への支障度も調べています。
たいていの頭痛外来などにはチェックシートが置いてあることが多いので、待ち時間を利用して自分でチェックしておけば、問診で聞かれることも整理できると思います。そして、問診の際には、頭痛の起こり方や症状について詳しく答えてください。鎮痛剤を毎日のように飲んでいるような場合も隠さず、事実を答えるようにしましょう。初診のときは無理かもしれませんが、頭痛について記録した日記をつけておくことも正しい診断に役立つと思います。

問診での片頭痛診断のポイントは?

問診では、片頭痛の特徴を確認することが重要です。
まず、第一に、片頭痛はあくまでも発作性の疾患であるということ。ふだんは異常ないが、発作が起これば激しい痛みが、どちらかというと頭の前方で続き、動くのもつらく吐くか、あるいは吐きそうになり寝込んでしまう。
第二に、片頭痛は、遺伝性疾患であり、さらに女性の生理と年齢に非常に関係があるということ。年齢によって頭痛の形が変わってくるのも大きな特徴です。
第三に、肩こりを伴うことが多いこと。「肩こりがあれば緊張型頭痛」と考えるのは間違いで、片頭痛の人の7割以上が、肩や首にこる感じがあると訴えています。

肩こりがあるから「片頭痛ではない」と診断される場合は多い?

片頭痛の人で、肩こりをもっている人は最大80%というデータがあります。トリプタンを使って解消されたのは、どちらかというと頭の痛みより、首や肩の痛みという人もいるほどです。しかし残念ながら「肩こりがひどい」というと緊張型頭痛であると診断されることが、いまだに多いようですね。
欧米の患者さんはたとえば「目の奥が痛い」というようにはっきりとした主張をします。しかし、日本の患者さんは「頭もだけどなんとなく肩もこる」というようなあいまいな言い方をされるので、あまり頭痛に詳しくない医師だと「肩こりがあるなら緊張型頭痛」と診断しがちなのです。医師側の問題が大きいのですが、患者さん自身も、肩こりだけでなく、頭のどの部分が痛くて、どれくらい続くのか、発作なのか、生活にどの程度の支障があるのか、他にどのような症状があるのか、というようなことを具体的に答えてほしいですね。

上手な医師の選び方、かかり方は?

基本的には、どのように問診を行うか、必要なことを聞き出して正しく診断するか、というのは医師側の問題です。ですから、患者さんができることは、まず、頭痛に詳しい医師を選ぶこと。10年間、正しく診断してもらえなかった人というのは、処方された薬や市販の鎮痛薬が効かないと思いながらもガマンして、他のお医者さんに行かなかったわけです。市販の鎮痛薬が効く程度の軽い頭痛ならばよいですが、生活に支障を来すような重い頭痛に悩んでいるのなら、一度は、頭痛外来などがある病院に行き専門医に診てもらいましょう。今はやりのセカンドオピニオン、大賛成です。
そして、正しく診断され、効果的な治療法がわかったら、家や職場の近くの行きやすい病医院をかかりつけにすればよいと思います。そして、頭痛が起こるのがこわいからと鎮痛薬を飲み続けたり、不満や疑問をもちながら漫然と通院を続けたりせず、きちんと診断を受けて、自分にあった治療法を見つけ、頭痛の悩みから解放される患者さんが増えてほしいと願っています。

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