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薬剤師ユウコのお薬最新情報

薬に関するお話を薬剤師ユウコがお届けします。vol 5は、「トリプタン:片頭痛に効く理由」です。
最近、「片頭痛の特効薬トリプタン」という言葉をよく耳にします。トリプタンとは、薬の種類をあらわす総称。トリプタン系薬とかトリプタン製剤とも言われる処方薬(医師の処方せんが必要な薬)です。日本では、イミグラン、ゾーミッグ、レルパックス、マクサルトの4種類のトリプタンが発売されています。さてこのトリプタン、片頭痛の特効薬とは言うものの、他の鎮痛薬とはどこが違うのでしょうか。今回は、このトリプタンが片頭痛に効く理由について、わかりやすく解説します。

「痛み物質」によりどんどん増強する片頭痛の痛み

片頭痛の発作は、頭の血管の拡張などによって、血管の周囲に炎症が起こることから始まります。炎症が起こると、血管やまわりの神経から「痛み物質」が放出されます。「痛み物質」は、脳に痛みを伝えるので、これが「頭痛」を感じる原因になります。やっかいなのは、この「痛み物質」が同時に、血管の炎症をひどくすることです。放出された「痛み物質」の作用でますます炎症がひどくなって、ますます「痛み物質」が多くなって・・・という悪循環が起こるわけです。こうして、発作の間にどんどん痛みが増強していくのが片頭痛の特徴です。

片頭痛の痛みを効果的に鎮めるには?

片頭痛の痛みを鎮めるには、この「痛み物質」をなんとかしなくてはなりません。そのために使う薬として、まず、鎮痛薬があります。これは、「痛み物質」が痛みの信号を脳に伝えたり、血管の炎症をひどくするのを抑える薬で、「痛み物質」が少ない発作初期には、ある程度効果があります。
しかし、発作が進んでどんどん「痛み物質」が作られだすと、鎮痛薬ではとても追いつかなくなります。こうなると、根本的に片頭痛の大モトの原因である血管(周囲)の炎症を治すしか、増え続ける「痛み物質」に対処する方法はありません。そしてこの段階でも頼りになるのがトリプタンです。片頭痛の原因である頭の血管の炎症を鎮める作用を持つため、痛みがひどくなってからでも効果があると言われています。
水道の蛇口が壊れて、水漏れが起こっていると考えてください。水の量がポッタンポッタンと少ない場合には漏れた水を拭き取ることができますが、どんどん漏れる量が増え、水びたしになると拭き取るのが間に合わなくなります。でも、壊れた水道の蛇口を直せば、水は漏れなくなりますね。水漏れを拭き取るのが「鎮痛薬」、壊れた水道の蛇口を直すのが「トリプタン」ということです。

トリプタンを賢く使うには

水漏れも、早いうちに蛇口そのものを直せば、被害はさらに少なくすみます。同様に、トリプタンも痛み出してから30分以内に飲むとより効果があることがわかってきました。片頭痛とわかったら、トリプタンも早い段階で飲むようにしましょう。吐き気があって薬が飲めない人には、点鼻薬や水なしで飲める口内速溶錠(チュアブル錠)があります。医師に相談してみてください。
なお、トリプタンは血管の拡張を抑える作用がありますから、同じような作用がある薬(エルゴタミン製剤や種類の違うトリプタン)を同時に飲むことはできません。他にも飲み方についてわからないことがあれば、遠慮せずに薬剤師に質問しましょう。

片頭痛のメカニズムをもっと知りたい方は
「片頭痛の専門薬トリプタン」

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